2024.4.25
「次世代金融に関する一般消費者の関心や利用度に関するアンケート調査、第2回」の結果
SBI金融経済研究所は、暗号資産等の次世代金融商品に関する一般消費者の関心や利用度に関するアンケート調査を行っている。第2回目の調査を2023年8~9月に実施し、今般、その調査結果を公表した。
(調査の概要)
- 本調査は、暗号資産やNFT、セキュリティトークン、ステーブルコインといった新しいデジタル金融商品について、国民の認知状況や保有動向、今後の投資予定や過去の投資パフォーマンス、取得・保有目的、売買頻度などの投資スタイル、投資の情報源などを明らかにしていくことを目的とする。
- 日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国の6ヵ国の20歳以上の個人を対象とし、同時期に同じ内容の質問でアンケート調査を実施した。
- 分析に用いた調査サンプル数は、日本が1万人、他の5か国は各2千人、合計2万人である。なお、日本については暗号資産等の保有者に限定した調査をサンプル数5千人で別途実施している。
- 質問内容は、①対象者の属性情報、②株式やFXなどリスク性金融商品の認知度や投資経験、過去の投資パフォーマンスなど、③4種類のデジタル金融商品(暗号資産、NFT、ステーブルコイン、セキュリティトークン)の認知度や投資経験、投資目的・運用手法、今後の投資予定、利用情報など、④金融リテラシーやリスク回避度、時間選好率といった投資に関係しそうな特性、という4群である。
- 第1回調査との比較を行うために同じ質問を残しつつ、新規質問を追加し情報量を高めている。
- 報告書では、調査項目ごとに集計結果を図表で示し、ポイントを解説している。
(調査結果)
1.日本
- 暗号資産の認知度や投資経験は、調査対象6か国のなかで最も低い。認知層に限定しても投資経験割合は低い。
- NFTやステーブルコイン、セキュリティトークンの認知度は更に低く、他調査国とのギャップが大きい。
- 前回調査と比較すると、いずれの商品についても、認知度、投資経験ともに低下している。
- 暗号資産に対する認識は、利益期待や分散投資効果、利便性、好奇心/期待感といったポジティブなものより、損失不安や商品理解不能などネガティブなものが多い。
- 暗号資産等の保有者は、大口保有と小口保有に二極分化しており、投資頻度も高頻度と低頻度に集中している。
- 暗号資産等の保有者については、最近1年の実績、今後1年の予定ともに投資に積極的。
- 金融資産の相当割合を暗号資産等に集中させている層がいる一方で、低い割合に止めている層も多い。
- 暗号資産等の運用手法は、長期保有のほうが短期売買よりやや高い。
- 売買頻度は、暗号資産で月平均6回(保有しているが殆んど売買していない回答は除いている)。米国や中国より低いが、その他の国とは概ね近い水準。
- 単利や複利、実質金利概念、ポートフォリオ分散効果を尋ねた金融リテラシーの質問では、調査国中で低位に止まった。正解率は、単利で6割弱、複利で3割強程度。
- リスク回避・選好では、リスクを強く回避する傾向が他の調査国以上に観察された。
2.他調査国
- 他の調査国では、暗号資産の投資経験は2~3割に上っている。NFTやステーブルコイン、セキュリティトークンやNFTでも1~3割となっており、一定の普及進展が窺われる。
- 今後の投資意欲は、いずれの商品・各国ともに、投資経験者は積極的、非経験者は消極的となっている。また、国による差のほうが商品による差よりも大きい。
- 保有している暗号資産は、ビットコイン以外は国によって相違している。保有者に占めるビットコイン保有者の割合は5~7割。
- 暗号資産等の保有額は、日本のような高額と少額への集中は窺われない。
- 金融資産に占める暗号資産等の割合は、概ね3割前後となっている(保有者の平均)。
- 運用手法は、長期保有が短期売買より多い。オプション取引やレバレッジ取引、暗号資産ファンドも利用されている。
- 暗号資産等の売買頻度を国・商品別にみると、月平均6~12回となっている。
- 投資の際に重視する情報は、国によって特徴があり、例えば米国では数分・数秒や1日・数時間といった短期のリターンが他国に比べて高い。他国では数か月リターンが最も高い。
- 投資一般の情報源は、専門ウェブサイトのほか、YouTube/ブログ、口コミが上位に入っている一方で、新聞やテレビ等の伝統的メディアも多く挙げられている。
- リスクに対する選好を、リスクの完全回避・回避・中立的・選好の構成比として観察すると、米英独が概ね類似している一方で、中国と韓国はこれら3国よりリスク選好的であり、日本は完全回避の比率が高い(リスク選好層は米英独と同様な水準で存在)という特徴が窺われた。
3.詳細な調査結果は下記の公表資料を参照
「次世代金融に関する一般消費者の関心や利用度に関するアンケート調査 第2回」の結果、2024年4月25日
(個票利用のオープン化)
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